開催期間:2023年11月28日〜12月3日
Exhibition Date : 
November 28 – December 3, 2023

開廊時間:10時30分〜18時30分
Open : 
10 : 30 a.m. – 6 : 30 p.m.

初日は14時30分から最終日は15時まで
From 2:30 p.m. on the first day to 3:00 p.m. on the last day

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画像は随時追加していきます。
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展示会趣旨

 

はじめまして!
今展示「一蓮回廊」は、東京藝術大学油画科1年生の4人展です。
私たちは全員同じ美大受験予備校の出身です。「一蓮回廊」の名前の由来は、予備校から大学へステージが変われど、また道を同じくして切磋琢磨する「一蓮托生」と、折れ曲がり地点を含みつつこれからも長く続く迷路のような「回廊」の中にいる、という意味を込めたところからきています。
ぜひご来場くださいますようお願いいたします。

作家紹介

田崎 蟻 / Ari Tazaki

『どういうテーマで制作をしているか』

「物事の多面性、それによる人間の衝突」について探求しています。目の前に立つあなたと私の、正義や思想が食い違った時の、視点を変えてしまえば全てが裏返る鮮やかな不安。それは私たちが未来を見る術を得ない限り永遠に付き纏うのです。

人間の持つ二面性や多面性、それによって生まれる嘘や本音の定義の危うさ。また集団心理や、集団の中にいることで起こる自分の意志を失う境界線などをテーマに、私たちの日常の延長線上に表現を見出したいと考えています。

『今回の展示の紹介』

今展示では「仲間意識」というキーワードを元に制作しました。仲間であるがゆえの安心感と不安が、同時に見え隠れするような感覚。一緒に騒いだり、共に何かを成し遂げたり、誕生日パーティーをしている時ですら、その感覚は拭いきれません。

それでも、あなたが今は仲間として、肉体を持って私の隣に立っている尊さに感謝したい。そういった生温かい優しさを抱えていても、1つの淡々とした事実(物語)が、視点によって立場が入れ替わっていく危うさを、今展示の作品たちによって味わっていただけたら幸いです。

土屋 春乃 / Haruno Tsuchiya

『どういうテーマで制作をしているか』

私の制作は営みを含めた【時間】がテーマになることが多いです。私は作品を作る時、目に見える世界のこと、心の中だけにある光景のこと、今まで関わってきた生き物たちのこと、あるいは私が生まれるよりずっと前の時間やまだ来ていない時間について思い描いたり正体を見たつもりになって制作にあたったりします。また作品という形にする時は、自分にしかできない描き方で制作します。

近くで見るともっとわかりやすいですが、しっかり彫り込まれた線によってこれらの作品は出来上がっています。なので、自分の絵を版画板のように扱って転写させた版画作品も作れます。

『今回の展示の紹介』

今回の展示は自己紹介のつもりもあって藝祭でも展示した作品【閉園パレード】 を展示しています。この作品は山羊や羊などの動物たちが閉園後に見せる、帰宅へ向かうゆったりとした足取りをモチーフにしています。

そして版画と共に並べられた【裸足の獅子】は、現代の獅子舞をモチーフに現代のいわゆる多神教無宗教の中で踊る日本の伝統文化芸術には、神に頼らない人間の力強い営みが剥き出しになっているような様子を表現しました。「今」に目を向ける意識で作品を制作しています。

萩原菜々美 / Nanami Hagiwara

『どういうテーマで制作をしているか』

日常で見つける「ジワる」ポイントから絵の材料を得ています。
散歩が趣味であるため、外の景色の中で偶然見つけた面白い人物や散歩中の犬などを題材によくしています。
本人は幻想的な絵画が好きですので、たまに犬が飛んでいたりもします。
「意味がわからないけれどなんか好き」と思っていただける絵を目指して制作をしています。最近は季節に注目した制作をしたいと思っていますので、家庭菜園を始めました。
ミニトマトはなんと1パック分しか収穫できなかったので、来年にご期待ください。

『今回の展示の紹介』

今回は散歩から着想を得た絵画を展示します。
犬や猫が大変に好きなため、動物も多く登場します。
踊りや歌など、人間が古来から本能的に行ってきたアクティビティの楽しさや自由さ、素晴らしさを表現して制作しました。
小作品については、これなら家に飾ってもいいかなと思えるような、愛で甲斐のある作品を目指しました。

樋熊あかり / Akari Hikuma

『どういうテーマで制作をしているか』

「痛みと対話すること」をテーマに制作をしています。 この痛みは私が日々与えられる他者からの視線に伴う痛みで
もあり、私が日々他者に与える痛みでもあります。
見ること、そして見られることは私たちがこの社会で生き続ける限り永遠に終わりません。 そんな「痛すぎる社会」
において、加虐にも被虐にもなりうる私たちの過激でありながらも佇み続ける姿を木偶人形に投影したのが
「痛みとの対話シリーズ」 であり、 日夜その痛みの姿をカンヴァス上に表現しようと模索しています。

『今回の展示の紹介』

今回の展示では、 視点によって加虐にも被虐にもなる 「痛み」を作品を通して捉えられるよう意識して
制作を行いました。
これらの作品群には特定の誰かを表現するようなモチーフは存在しません。 そこにあるのは、無数に打ち付けられた木偶の人形。
そしてそこへ投影されるのは作者である私が受けている痛みなのか、はたまたあなた自身の痛みなのか。
私はあえてそれをここで断言することはしません。
全ては私があなたに与えるサディズムであり、 あなたが私に与えるサディズムなんです。