西欧とアジア|二人の巨匠

2022年8月23日〜9月11日
展示会場:ヒコヒコギャラリー(アクセス)
10時30分〜18時30分
(最終日15時まで)
月曜休館
入館料:500円(税込)
会期が延長になりました。

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太田興産が所蔵する作品の中から、最も著名なストリートフォトグラファー2名をご紹介します。
20世紀半ばに香港で活動したファン・ホーとフランスで活動したロベール・ドアノーには
人々の内面を浮き上がらせ、さりげなく鑑賞者に伝える、という共通点があります。
高品質な画面構成と味わい深いストーリー加え、子供の感情がダイレクトに伝わってくる表現は逸品です。
どうぞお楽しみください。

展示作家
Fan Ho(ファン・ホー)、
Robert Doisneau(ロベール・ドアノー)

ファン・ホー
(1931-2016)

「東洋のカルティエ=ブレッソン」と呼ばれるファン・ホーは、幾何学的な構造、パターン、テクスチャーを巧みに配置した背景をベースとし予期せぬイベントが偶発する「決定的瞬間」を撮り続けました。

彼は香港の建物やモニュメントの歴史的な記録を作ろうとはせず、香港の魂、市民の苦難と香港の復興を捉えることを目指しました。

10代から20代にかけて、サロンで競い合いながら、300近い国内外の賞やタイトルを獲得し、最大の作品群を作り上げたのです。

ファン・ホーは、英国写真協会と王立芸術協会のフェローであり、シンガポール、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ、フランス、イタリア、ベルギーの写真協会の名誉会員でもあります。

中国写真協会(広州)による「Life-time Achievement Award, the 2nd Global Chinese International Photography Award, China, 2015」も受賞しています。

彼の作品は、多くの個人および公的コレクションに収蔵されており、その中でも特に注目すべきものは以下の通りです。

M+美術館(香港)、ヘリテージ美術館(香港)、フランス国立図書館(パリ)、サンフランシスコ近代美術館(米国)、サンタバーバラ美術館(米国)など多数。

出典:”BIO”.FAN HO PHOTOGRAPHY.https://fanho-forgetmenot.com/.20220331

ロベール・ドアノー
(1912-1994)

ロベール・ドアノーはパリ近郊ヴァル・ド・マルヌ県ジャンティイに生ました。

石版工の技術取得のためパリのエコール・エスティエンヌで学んだ後、写真家アンドレ・ヴィニョーの助手となります。

その後、ルノー自動車工場専属カメラマンを経て、戦後はラフォー通信社に所属。雑誌「ヴォーグ」などの仕事を行う一方、くまなくパリを歩き回り、庶民とその日常をユーモアと愛情をもって写真に捉えました。

生涯をパリとパリの人々の撮影に捧げた彼の作品は今もなお多くの人々を魅了し続けています。

1994年に他界するまでに彼が残した45万枚のネガは、彼の思慮深さ、権力に動じない態度、そして執拗なまでの自由へのこだわりを反映しています。

フランス国内はもとより世界各地で写真展を開催。

受賞歴は、コダック賞(1947年)、ニエプス賞(1956年)など。

1984年にレジオンドヌール勲章と Chevalier の称号を授与。

出典: 「ロベール・ドアノー写真集パリ」 堀内花子訳 岩波書店、「ドアノーの贈りもの田舎の結婚式」河出書房新社